子どもの頃、農業が嫌いでした。友だちが遊びに出かける休日に農作業を手伝わなくてはならないのが嫌で、
作業着姿を見られるのも恥ずかしかったです。
一度は金融機関に就職した私を農業に向かわせたのは、
東日本大震災でした。インフラが止まり、店から食料が消え、
私自身も周囲の仲間も困り果てていたその時。
両親が作った米が届き、危機から救ってくれました。
誰かが食べものを作らなくては食べられない。
それなら、農家の息子である自分がやろう。
10年のサラリーマン生活に終止符を打ち就農を決めたとき、
考えたのは「かっこいい農業にしたい」ということでした。
子どもの頃感じた「恥ずかしい」という感覚を変えたい。
農業を、かっこよくて稼げる仕事。
子どもたちが憧れる仕事にしたい。
そのためにできるチャレンジは何でもしていこうと決めました。
そのためT-Agri Groupでは、
可能な限り最新の技術や機械を取り入れるようにしています。
私も異業種からの転職ですが、当グループでは
スタッフも半数以上が農業未経験からのスタート。
私たちが大切にしているのは、農業の常識にとらわれず
「なぜ?」と疑問を持つことです。
「なぜこんなに時間がかかるのか?」
「もっと効率よくやる方法はないか?」
課題に粘り強く取り組み、耕作面積が年々拡大する中でも
レベルの高いオペレーションを実現しているスタッフは、
当グループの宝です。
東北1位、全国でも有数の農業県である青森県でも、
高齢化や後継者不足が農業者の前に立ちはだかっています。
私たちが規模拡大と効率化を進める背景にあるのは、
耕作放棄地を引き受け、後継者を育てることで、
地域の農業や農地を守ることに貢献したいという思いです。
大切な食糧づくりを次世代に繋いでいくため、
ここ十和田で、安心・安全な人と家畜の糧づくり、
そして農業そのものの進化に向けて取り組んでまいります。
代表取締役 竹ヶ原 直大